Stock と Broth と Soup

冬になるとあたたかいスープが恋しいですね。

スープのレシピを見ていると良く chicken stock、vegetable broth など出てきます。お店に行って買い物をしていてもstock, broth と言葉が違うものが売っていることには気付いていましたが、同じ意味にとっていて深く考えたことはなかったのですが、ふと何が違うのか調べてみたので共有したいと思います。

日本語になるとオンライン辞書の英辞郎では

stock: 煮出し汁、ブイヨン

broth: (肉、魚、野菜などを煮出した)出し汁、スープ

Weblio では

broth: (肉・魚などの)煮汁、だし、ブイヨン、(スープ)ストック、(だしに野菜などを加えた)薄いクリアスープ

stock を調べると株式、在庫などの意味でしか出ていません。

ということで、日本語ではこの二つの言葉を使い分けることはないようです。

日本語のスープは、コンソメのようなクリアなものからポタージュ系のもったりしたもの、具が入っているものも含め食事の一品としての料理を言い、それ以外は「だし」になるような気がします。

英語ではどうかというとメリアム・ウェブスター英英辞典では

Stock: 5a にあるように liquid in which meat, fish, or vegetables have been simmered that is used as a basis for soup, gravy, or sauce

肉、魚、野菜を煮出しスープ、グレービー、ソースのベースにするもの。

とあります。一方、brothはどうかと見ると

Broth: liquid in which meat, fish, cereal grains, or vegetables have been cooked

肉、魚、穀物、または野菜を煮た液体

とあり、あまり違いがないですね。イメージ的には stock はそれを使って他の料理を作るが broth はそのままでも食することができる、という感じですね。

ケンブリッジ英英辞典を見ると

Stock: a liquid used to add flavor to food, made by boiling meat, or fish bones or vegetables in water

肉または魚の骨、野菜を煮た液体で料理に味付けをするもの。

Broth: a thin soup, often with vegetables or rice in it

薄いスープで野菜やご飯が入っていることが多い。

と、なんだか少し違いますね。しかし、やはりこちらも stock はそれだけで食べるものではなく「出汁」で broth はそれだけで食べられるスープ、というイメージは同じです。

The Spruce Eats というサイトがあるのですがここに詳しく出ていたので引用します。

これによりますと、the Culinary Institute of America (アメリカ料理大学)のようなところにいるプロのシェフ達は骨を使うか、または肉を使うかの違いにより stock と broth を分けているということです。

伝統的に言って、stock は骨と野菜を使って出しをとるものでそれ自体に味付けはなく一品にならない。一方 broth は肉、または野菜も共に煮て出しをとり味付けもしてありそれだけでスープにもなり得る。コンソメがいい例だ、とあります。

ということで出しを取るのに骨を使う場合は stock 、肉の場合は broth。Stock は塩こしょうなど味付けがなく、それを使って料理を作るが、broth は味がついていてそれだけでも料理になる、ということですね。

日本語ではブイヨン、とよく言いますが、これは bouillon と書いてフランス語ですね。英語にすると stock になるようです。ということは骨から作ったもののことを指すのでしょうか??そこまではわかりません。いつかフランス料理シェフにきいてみないといけないです。

ブイヨンというと私は固形のものをイメージしますがあの形で売られているからですね。アメリカでももちろんありますが、紙パックに入った液体の stock や broth も日本より多く売られている気がします。

近年、アメリカでは bone broth という骨から取ったスープが体にいいと言われ流行っていますが、これは骨から出しを取るわけですから本来 bone stock のはずですね。

あと、下記の写真にあるような寸胴鍋のことを stock pot といいますが broth pot とは言わないですね。やはり小さめのチキンを丸ごと入れて出しを取るというような場合を想定し骨つき、つまりstock 用でしょうか。

日本では「だし」と聞くとかつお、こんぶなどから取る和風出汁ですよね。基本的には野菜、魚、肉を水に入れて煮て味を出すのだから同じですが、こちらでいうチキンスープを「出し」と言われてもピンときません。

同様に「汁」と「スープ」も同じものですが当然和語とカタカナの違いで和風、洋風の違いがありますね。

これを知ったからどう、という知識ではないですが、自分で調べてみてすっきりしました。

皆さんも是非、骨から stock を取り、栄養満点のスープを作ってください。

Photo by Bluebird Provisions on Unsplashでは

You may also like...