英語にならない日本語のあいさつの表現

よろしくお願いしますを英語で何と言う? と思ったことがある人は結構いるのではないかと思います。

英語にならない日本語の言葉なんて山ほどあるのですが、日本語で本当によく使う表現で英語にないものを選んでみました。

1. よろしくお願いします

これは本当に困ります。自己紹介をしては「よろしくお願いします。」何か仕事で物事を頼んでは「よろしくお願いします。」非常に便利な表現で、なんとなく謙った感じでいいですが、これが英語になりません!

自己紹介であれば

“Nice to meet you.” (初めまして。)

“I look forward to working with you.” (皆さんと一緒に仕事ができるのを楽しみにしています。)

等が適当かなという気がしますが、

場合によっては “I’m so excited to be here.”(今日はこちらでご一緒できるのを光栄に思います。)という感じでもおかしくないと思います。

仕事の場合ですとそうも言えず、

“Please take care of it.”(その対応お願いします。というような曖昧な感じ。)などと言ってもいいですが、英語で話していてこの言い方は少し不自然ですね。

何かまたメールで送ってくださいね、というような場合であれば

“I’ll wait for your email.”(メール待ってますよ。)

でもいいかもしれませんし、単にそのお願いすることを直接言う形もいいかもしれません。

“Can you contact him and ask him about it?” (彼に連絡してきいてもらえますか。)など具体的な内容を言う。

しかしそういうことを日本語で言ったあとに「よろしくお願いします。」と日本人が言って、通訳をしていて英語で何も言わないとおかしいので、結局 “Thank you for your help.”となってしまったりもありますね。

会議の終わりに「次回もまたよろしくお願いします。」こうなると

“See you next time.”

かなという気がします。

要するにこの言葉自体、日本語の環境では言わないとしっくりしない、失礼な感じがしてしまいますが、深く考えるとあまり意味のない言葉だということですね。状況に応じて変えるしかありません。

2. お疲れ様です

これは「よろしくお願いします」よりも困ります!何か作業をしている時にその部屋に入ってきて言うなら

“Thank you for doing this.” (やってくれてありがとう!)

“Thank you for cooking.”(例えばボランティアで何か調理をしてる場面)

など具体的なことを言えばいいですが、日本語の「お疲れ様です」はあいさつなので英語にならないですね。

“Good job!”(よくやりましたね!)も場合によってはいいかもしれませんが日本語の「お疲れ様」は相手に対するねぎらいの気持ち、感謝の気持ちなどもあるのでなかなか表現し切れません。

例えば職場で誰かが客先や取引先に出かけて行って帰ってきた時に「お疲れ様」と言った場合は “How did it go?” (どうでした?)”How was your afternoon?” (今日の午後はどうだった?)のような言い方が適当なこともあるかもしれません。

3. 失礼します

これもいい英語がありません。その場を去る時の「失礼します」であれば

“I’m going home.,” “I’m leaving.,” や “I’m going home now. See you tomorrow.”(帰ります。また明日。)という表現でしょうか。

会議が今はオンラインなので最後にそう言うと、やはり

“Thank you for attending.” (出席してくれてありがとう)という意味で “Thank you.” とか、ただ単に

“Have a good day.,” (良い一日を)”Have a good evening.” (おやすみなさい)などの表現になります。

それ以外でも日本だと美容院で髪の毛を洗う際に髪や体に触れることがあると、「失礼します」と言いますね。そのような相手の体に触れる場合、例えばお医者さんなどでも言うかもしれませんがそういう言い方は英語ではないです。

“I’m going to take your pulse.” (脈をとりますね。)とか “I’m going to polish your teeth.” (歯医者さんで歯を磨く場合)など具体的に何をするか、ということを先に説明して今から触りますけどいいですかと聞くこともありますがこれが日本語の「失礼します」の代わりかなと思います。

4. おかえりなさい

これも日本的ないい言葉ですね。英語はぴったりの表現がなく、

“Hello,” “Hi,” “How was your day?”(今日はどうだった?)などの言い方しかないでしょうか。遠方から帰ってきたのなら、

“I’m glad you got home safely.”(無事に帰ってきてよかった。)

でもいいでしょうし、

“You are home!!”(帰ってきたー!)といえば待ってましたよという感じが伝わります。

5. ただいま

4番に対する言葉ですがこれも英語がありません。

“I’m home!”(帰ったよー)も言えますが、あまり使わないですね。単に”Hi”でしょうか。

うちの子供達は “Hey”と言うこともあります。

6. いってきます

これも同じ種類で英語がありません。

“I’m going / leaving.”(出かけます、ということからいってきます)または単に

“Bye!”

ですね。

7. いただきます

英語はないです!誰かに招待された場合であれば食べる前に

“Thank you for inviting us for dinner.”(夕食によんでくれてありがとう。)

と言えば、少しいただきますの感じが伝わりますが、一般的に家庭で使うにはおかしいですね。作ってくれた人に対する感謝、食べ物に対する感謝など色々な気持ちが入った本当にいい日本語だと思います。

8. ごちそうさまでした

これもいただきますと同様、ないですね。やはり招待された場合であれば

“It was so delicious. Thank you for having us over.”(とても美味しかったです。招待してくれてありがとう。)

という言い方で感謝の気持ちを表せますが、ぴったりの英語はないですね。家であればやはり

“It was good.”(美味しかった)”I’m so full!”(もうお腹いっぱい)や単に”Thank you.”

などちょっと意味は違いますが、こんな言い方でしょうか。

こうして見てくると意外と単なる”Thank you.” で事が足りることもありそうですね。

日本語は色々と状況に応じて違う表現があるけれども、英語では相当する言葉がなく、もっと説明的になる傾向があるのでしょうか。

逆に日本語になりにくい英語の表現もあるかと思いますが、挨拶系ではあまりないのかなと思いますが、どうでしょうか。

言葉というのは本当にその文化に由来していると思いますね。単なる言葉の入れ替えで同じ意味が伝わらないので難しく、またそれが面白いところでもあります。

Image by Robert Owen-Wahl from Pixabay

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