Ballot と Vote

Ballot enclosed − 投票用紙同封。トランプが不正だと言い張って問題になっている郵便投票です。

4年前、トランプ大統領が誕生した時に、私はヒラリー・クリントン氏の敗北演説よりchampion という言葉を取りあげこういう投稿をしました。あれから4年。4年後にそんなに悪くなかったね、と言いたいと書いていますが、残念ながらそうは言えなかったですね!

どんなことになるのかと恐れていたアメリカ大統領選挙が11月3日に実施されましたが、例年のように当日の夜中までに結果が出ることはなく、1週間以上過ぎた今でもまだ開票が済んでいない状態です。

とはいえ、100%開票がされなくてもこれまでの結果と残りの票数を考えるとどちらが勝ったかわかることから投票されたものを正とするならば結果が出ています。

メディアはほぼ全部、保守支持のフォックスニュースでさえバイデン氏の当選を報じましたが、当然トランプ大統領本人や取り巻き、世界の指導者の中にもまだバイデン氏が次期大統領であることを公式に認めていない人もおり、今後どういう展開になっていくのか心配です。

https://www.washingtonpost.com/graphics/2020/elections/vote-count/

⬆️のリンクで今日、今の時点での結果が出ていますが、まだ開票が100%でない州もたくさんありますね。(このリンクのアメリカの地図の情報は常に更新されているはずですので皆様が見る時にはどういう情報が出ているかわかりません。もし将来的にリンク先がなくなっていたら申し訳ないです。)

毎日、ニュースでは大統領選挙のことが言われていますが、ニュースの中で “ballots” という言葉がよく出てきます。それに対して普通「投票」というと思いつく言葉、”vote” がありますね。そこでどう違うのかみてみます。

Vote は to vote、動詞として使う方が馴染みが深いかもしれません。

I went to vote for president. ➖大統領の投票に行った

Find out where to go to vote. ➖どこに行って投票するのか調べよう。

名詞としての “vote” は「票」のことですね。

Who won the popular vote in 2020? ➖2020年(の選挙)において国民の票ではどっちが(誰が)勝ったの?

先ほどのリンクの記事の見出しは

Where votes are still being counted ➖票をまだ集計している州

普通の会話の中では何かを決める時に皆でどっちがいいか多数決で決めよう、という時に

Let’s take a vote. ➖多数決で決めよう!(採決をして決めよう)

と言います。

というように vote は普通に使われる言葉ですが、ballot はだいたい選挙でしか使いません。

Ballot は実際に投票をする時の投票用紙や電子的に行うのであればそういうシステムのことです。

こちらはテキサス州の州務長官のサイトになりますが、選挙関連の言葉の辞書がありますので参考までに載せておきます。

ballot を使って投票するということを表現するにはよく

to cast a ballot

という言い方をします。

Ballot は投票用紙ですが、その紙に候補者が書いてあってそれで選ぶようになってるので

Who is on the ballot?

What is on your ballot?

と言うと、候補者は誰がいますか?ということになります。

私が住むオハイオ州政府のサイトにいって住む郡や町を選ぶと自分の住む地域での選挙対象になっている職への候補者が誰かというのを見ることができ、サンプルの投票用紙が見られます。面白いので見てみてください。

アメリカは二大政党のシステムを取っているので、いつも民主党と共和党の候補者しか話題になりませんが、いつもそれ以外の候補者がいるんですよね。今回もリバタリアン(自由主義者)の候補者もいましたし、もう一組いました。なぜ、ここまで全く話題にならないのか不思議です。

私はこれは知りませんでしたが、この投票用紙を見ると自分で名前を記入できるようになっていますね!勝手に誰かを大統領、副大統領に推薦できるんでしょうか。

色々な社会問題があり、単に保守、リベラルだけでは片付けられないようなこともあると私は感じていて、この二大政党のシステムもどうなのかなと思うことがあります。

今のアメリカのシステムだと必ずどちらかの党に所属しなければ立候補してもどうにもならないわけです。よく両党で対立する問題には環境問題、銃規制、中絶、人種問題、健康保険等々ありますが、保守だからといって必ず地球温暖化は信じないか、というとそういうこともないと思いますし、リベラルだからといって中絶に賛成か、というとそうでない人だっていると思います。

私はまだアメリカ市民権を取っていないため投票もできずにいますので、私の意見はまったく反映されないわけですが、これからは民主、共和党以外の人が出てきたりすることはないのかなと少し思います。

今回の大統領選挙への投票率は1900年の選挙以来、一世紀以上ぶりに高かったということですが、やはり型破りのトランプの再選がかかっていたからでしょう。投票率のことを voter turnout と言いますがそのことに関するタイム誌の記事はこちら

まだ予断を許さない状態ですが、スムーズに政権移行が行われることを望みます。

Photo by Michael Longmire on Unsplash

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