貧富の差 ① – 住宅

世界各地で発生する社会問題の中には 貧富の差 に起因するものがたくさんあると思う。犯罪、差別はもとより、教育の格差、病気になった時の対応の差による健康問題の有無や生存率など 貧富の差 が色々な影響を与えている。

アメリカで 貧富の差 が顕著に出るのが住宅である。

日本ではアメリカほど明確に富める人、貧しい人によって住む地域が分かれている、ということはないように思う。

私は名古屋の新興住宅地で当時開発していた分譲地にある家で育った。小さいけれど一戸建て住宅で両親にとっては結婚当初も私の姉たちが生まれたあとも小さな社宅に住んでいたので、非常な格上げだったであろう。周りにはもう少し安かっただろうと今になって推測する団地がたくさんあり、学校での友達は全員が団地か分譲地かどちらかに住んでいた。今思えば多少は貧富の差はあったのだろうが、ほぼ皆が中流、もしくは中の下、という感じだったように思う。

今は日本でも変わってきているのだろうか。私は今は名古屋に行くこともないのでわからないが、今帰国する兵庫県では大まかに地域によって多少分かれている気もするが、アメリカのようなことはない。

アメリカの大都市に旅行をしたことがある人ならわかると思うが、車で走っていると、必ず雰囲気が違う、あ、ここは貧しい地域だ、なんとなく危ない、という空気が漂う地域がある。特に身なりの悪い人が歩いている、ホームレスがいる、とかいうことではなく、家が古い、きちんと整備されていない街並み、さびれている、など全体が貧しい様相を呈している。

そして郊外に車を走らせていくと芝生がきれいに刈られ、大きな家が並ぶ街があり、明らかに裕福な人が住んでいるな、と思う街並みが登場する。

そこでどれくらい住宅の価格に差があるのか調べてみた。

  • 私が住むオハイオ州コロンバス郊外の市で 2022年6月に売れた家の中央価格は$465,000
  • 一方、コロンバス地域で一番家の価格が安い地域の中央価格は $157,000
  • 比較までに、オハイオ州で一番家の価格が高いのがシンシナティ郊外のIndian Hillというところで2022年6月に売れた家が10軒で中央価格が$1.885,000(すべてwww.redfin.comによる)

私の住む地域はコロンバス郊外で一番高いわけではないのだがそれでも安い地域の約3倍。

安くても家が買えればいいが都市部では家を買うことができない人もたくさんいるだろう。賃貸でも家賃が高いところは安全で富裕層が住むところ、安い家賃のアパートや家は危険な貧しいところ、と当然なってしまう。

地域により家の価格の相場が違うので皆自分の収入に見合った家がある地域に住むしかないのである。

この家の価格が生活にどう影響してくるかというと、まずは固定資産税が違ってくるので富める人が住む街とそうでない街とでは市の収入に大きな違いが出てくる。

固定資産税は住んでいる郡によっても違ってくるがオハイオ州は平均で1.57%。(https://www.hrblock.com/tax-center/filing/states/ohioproperty-tax/参照)

オハイオ州政府の情報によると固定資産税の3分の2が学校教育に使われているそうだ。

ということで市によっていかに学校教育に使える資金に差が出てくるのか理解ができる。

もちろん所得税も同じことで価値の高い家に住めるということは当然収入もいいからで、所得税も高い。

市は税収入が多ければ街の整備やサービスにお金を使うことができ、富める人が住む地域はさらにきれいに、よくなり、貧しい地域は発展しにくいという構図ができあがる。

こちらにあるフリーランスのライターがお金がなかった時代に貧しい地域に住んだ経験を書いた記事があるので参考までに。

次回は学校教育にかけるお金の違いによりどういう差が出てくるのか、ということを見てみたい。

Image by R H from Pixabay

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