サンクスギビング
感謝祭はアメリカでは毎年11月の第4木曜日に決まっていますので日にちは毎年変動します。
カナダでも同じように感謝祭がありますが、こちらは10月の第2月曜日です。
感謝祭はもともとその年の収穫をお祝いする行事ですから、宗教色が比較的少なくアメリカらしい、私は好きな祭日の一つです。
そういう時節柄、今回は サンクスギビング にちなんだ英語を取り上げます。
- Cornucopia
これは最初の写真にあります角の形をした物のことで、そこからたくさんの食べ物が溢れ出ているようなそんなイメージで、造花が入っていることもありよく装飾品があります。
もともとはギリシャ神話からきているようで、ヤギの角で日本語では「豊穣の角」とも言われるようです。豊かさの象徴としてサンクスギビングにはよく登場します。
少し話がずれますが、先週金曜日に本の3冊目の後半の映画が公開になった「ハンガーゲーム」という話があります。あの話の中にこのコーニュコピアが出てきますよね。コーニュコピアの下で皆準備をして戦場に出てきて、そこでコーニュコピアの中や周りに配置されている武器や食料など色々サバイバルに必要な物資を最初に皆とりに行くところから戦いが始まります。
豊かさの象徴であるコーニュコピアはやはり戦いに必要な物資において「豊か」な場所であるのですが、話を通してこのコーニュコピアが争い、殺戮の場の中心になるのは皮肉なことです。というか敢えて作者がそうしたのでしょう。やはり豊かさが争いの元である、ということでしょうか。
2. Pilgrims
The Pilgrimsというのは昔、歴史で習ったのを思い出しますが、ピルグリム・ファーザーズと言われるイギリスからアメリカへ入植してきた最初の人たちのことです。
現在の感謝祭の習慣はこのイギリスからやってきた人たち(ピューリタンーPuritanーと言われるキリスト教徒)が持ってきた宗教を基礎にした神に感謝を捧げ、秋の収穫をお祝いする行事と、アメリカにもともと住んでいたインディアンの人たちがお祝いしていた秋の収穫祭との融合のようです。
この時期、 サンクスギビング の起源ということから小学校ではだいたいアメリカの成立の歴史について学ぶことが多いです。
3. 七面鳥
なぜ、七面鳥(turkey)を感謝祭で食べるようになったのかについては色々議論があるようですが、歴史書に狩りで野鳥(wild fowl)をとってお祝いをしたという記述があることから七面鳥だったのではないか、ということからきたと読みました。
普段、ターキーはハムと同じようにサンドイッチにはよく出てきますが丸焼きはほとんどしません。ですが感謝祭には七面鳥の丸焼きはなくてはならない料理の一つです。
PETA (People for the Ethical Treatment of Animals)というのは動物の権利を守る団体ですが、そこの情報によると(七面鳥の消費量)
感謝祭だけで毎年4500万羽の七面鳥が食されるそうです。すごい数ですね!
4. クランベリーソース(Cranberry sauce)
クランベリーもまた感謝祭の時期になると出てくる果実ですね。普段からジュースにはよくありますが、なかなか生のクランベリーを煮て食べるというのは少ない気がします。マフィンなどお菓子には使うこともあるようですが、この時期になるとお店にたくさん出てきます。
なぜターキーにクランベリーソースをつけるようになったのか、というのもよくわからないようですが、誰かが甘いソースを作ってつけて食べたらおいしいということで広まったのでしょうか。
5. Wishbone
これは七面鳥の叉骨で、七面鳥を食べたあと肉をきれいに取り除くとこの骨が出てきます。これを二人で持って引っ張ると割れるので、それで短く折れてしまった方が負けとなり、勝った人の願いが叶うという占いをこれでします。
6. Macy’s Parade
Macy’sというデパートが毎年ニューヨークで感謝祭当日にパレードをします。1924年から始まったそうですが、このパレートがとても有名で350万人もの人が実際にニューヨークへ見にいくそうです。テレビでも放映されるので見たことがない人は一度見てみてください。
7. その他
アメリカといえばアメリカンフットボールですが、 サンクスギビング 当日には必ずプロフットボールの試合があり、これもファンには大きなイベントです。
だいたい祭日ですから家族が集まりますから、そこで皆でわいわい観戦するのも楽しいのでしょう。
食事は先ほど書いた七面鳥がメインですが、マッシュポテト、グレイビー(マッシュポテトやターキーにつけるソース)、スタッフィング(これは七面鳥の中に詰めて焼く場合もありますが別に作ることもあります。コーンブレッドを砕いたものにスパイスやコンソメで味をつけて調理したもの)、グリーンビーンズ、パン、スイートポテト(Yamとよばれる少しオレンジっぽいものを使います。)、あとはコーンを使った料理もよくありますね。
デザートはやはりパンプキンパイが多いですが、ピカンパイ、アップルパイなどもよく出てきます。
最後に、子供がプリスクールや幼稚園に行っていると手形を使った工作もよくあります。例えばこんなもので、ここにさらに指のところに何について感謝しているか、ということを書いたりします。
皆、家族、ママ、パパ、おもちゃとか書いたりしてかわいいです。長女は昔「ふりかけ」などと面白いことを書いていましたが、今では必ず「iPhone」になることでしょう!
家族で食事をする時も、その前に一人ずつ何について感謝しているか順番に言ってからいただきます、とすることもあります。
その場合、”I am thankful for ~”
と言いますね。
Thanksgiving という言葉にあるように、”Thanks” を “giving” するということで、
Give thanks to ~
という言い方もします。”Thanks” とここは複数になります。普段、”Thank you!” という代わりに”Thanks!” というのと同じですね。
私は I’m thankful for my family, friends, house, health….
何に感謝するかと言われれば、まずは自分を産み育ててくれた両親、今でも力になってくれる姉たちやその家族から始まり、夫、子供たち、義母、いつも愚痴を聞いたり一緒に食事をしたりメールで交信してくれるたくさんの友達、だんだん寒くなってくると身にしみますがあたたかい家、布団、食べ物、食べ物を育ててくれる農家の人たち、食べ物となってくれる動物たち、水、空気、電気、ガス、学校の先生、お医者さん、健康、コンピュータ、洋服、くつ、安全に暮らせる環境、など考えればもっともっと言い切れないほどあります。
私は特に宗教心が強いわけではありませんが、サンクスギビングの日だけでなく日々周りの人や物に感謝して生活したいものです。
皆さんは何に感謝しますか。
Happy Thanksgiving!
そうそう、一つ忘れてました。
私今年の秋、生まれて初めて野生の七面鳥を見たんです。
ニュー・アルバニー方面の自然公園 Blendon Woods Metro Park。
ここのネイチャーハウスの展望窓から外に設定された鳥の餌箱などで、色々な野鳥やリスたちが観察できるんだけど、運がいいと野生の七面鳥が森の奥からわらわらと出てきます(笑
七面鳥もクランベリーも地元で採れる(獲れる)食料なので、ネイティブの人たちと入植者が秋の収穫を祝ったことかららしいですよね。真っ赤な果汁のクランベリーはネイティブの人たちに染料としても使われてたらしいです。
私がサンクスギビングの七面鳥で思い出すのは、この日にあるプロのフットボール。有名な解説者のおじさんがターダッケンなるものを披露して、最優秀選手にターキーの足をプレゼントしたことからある種の伝統になったらしい。ターダッケンってもの凄い食べ物。詰め物をした骨無しチキンを骨無しダック(鴨)に詰めて、そのダックをターキーに詰める。ターキーの中にダックがあり、その中にチキンがある、でターダッケン。考えただけで胸焼け起こしそう・・・。
あとはメイシーズ・デパートが主催するパレードですが、先頭が大きな七面鳥の山車で、パレードの最後はトナカイに引かれたソリに乗ったサンタクロースご夫妻。これで世の中クリスマスセールが正式に始まります!
私は何に感謝する? 家族が元気でいてくれることかしらね。健康が宝です。
Turduckenですか!!知らなかったです!すごいですね。でも調べたらいっぱい写真とか出てきました。こんなものがあるんですねー。
その解説者がターダッケンが好きだという話をしていたので、1989年の感謝祭のゲームの時に、近くのレストランからそれが届けられて、その足をとってMVP選手にあげたことから、2001年までその伝統が続いた、とウィキに書いてあります。
近くで七面鳥が見られるという話もありがとうございました!自然がいっぱいあっていいですね。