What Inspires You? の意味
毎月二回、小学校の図書室で子供達が返却した本をきちんとアルファベットや番号順に棚に戻すボランティアをしています。今日も行っていたら、先生が
What inspires you?
と言っていました。”Inspire” という動詞、なかなか日本語にならない英語ですね!そこで今日はこの言葉を題材にします。
強いて訳せば「何でひらめきを得るか。」「どんなことでやる気が出るか。」「何に触発されるか。」
先生が続けて言ったのは
“What motivates you? What makes you get going every morning when you get up?”
こう言うともっとわかりやすくなりますね。でも、これでも日本語になりにくい・・・。
「どんなことが動機付けになるか、毎朝起きた時に何に動かされるか。」(ひどい日本語ですね!)
二つ目の文は簡単な “make” や “get” という動詞が使われていてこれも非常に英語的な表現ですね。
make + 人 + 動詞
はよくある構文で
- Sunny day makes me happy. (天気のいい日が私を幸せにする→晴れの日は幸せ)
- This movie made me cry.(この映画には泣かされた。)など。
少しずれましたが、先生が2番目の文章で言っているのは「朝、目が覚めた時に今日も頑張ろう!と思うその原動力となるものは?」というようなことです。
また、ずれますが、”get up” と “wake up” は両方とも起きることなのですが少し違います。”Get up” は実際に起き上がる、つまりベッドや布団から出て起き上がるという感じですが、”wake up” は単に「目が覚める」感じです。ですから、
“I woke up at 6, but didn’t get up until 7.”
と言えます。「6時に目が覚めたけど7時まで起きなかった。」
先生は自分の両親のことを思うと “inspire” される、(先生は小さい子供が二人いますが)子供の写真を見ると “inspire” される、と説明していました。
子供達は地元の大学のフットボールチーム、サッカーの選手、バスケットボールなどスポーツやスポーツ選手によって元気が出る子供が多いようでした。中には手芸や動物と言っている女の子や面白いのは海の中にいるたこと言っている子がいました。
この動詞の名詞形が “inspiration” になりますが、日本語で「インスピレーション」と言った場合は「〇〇にインスピレーションを得てこの絵を描きました」とかアートや音楽、映画、本の執筆など創作的な活動に使うことが多いような気がします。
英語の “inspiration” もやはり同じようにアートや音楽など創作活動の「ひらめき」に使いますが、人にも使います。
“Mother Teresa was an inspiration for me.”
こう言った場合、「マザーテレサに感銘を受けた」ということになります。でも感銘を受けただけでなく、インスピレーションを得たのですからその結果何かをした、というように行動が伴うことが予想されますので、このあとに
“That is why I started this mission to save the poor.”
「それで貧しい人を救うこの活動を始めたのです。」
などと繋がります。ただ感銘を受けただけで何も行動を起こさなかった場合は使えないようなニュアンスがあります。
“Inspiration” という単語を調べると、
https://www.merriam-webster.com/dictionary/inspiration
語源はラテン語の動詞 “inspirare” で「息をする、吹き込む」という意味で、それが比喩的に使われるようになり神的、超自然的な力が及んで影響を及ぼす、動かす、という意味になってきて、今では人に影響を与える、人を導く、等の意味に使われるようになったそうです。(参考:https://www.merriam-webster.com/words-at-play/the-origins-of-inspire、http://www.dictionary.com/browse/inspiration)
ということからなのだと思いますが、 “inspiration,” “inspire” は神のような説明できないものから力を得て、更にそれにより起こる行動が伴う、または期待される言葉だと思います。
それで、なぜ学校でそんな話をしていたのでしょうか。検索エンジンで有名なグーグルを開けるといつもGOOGLEという文字の周りに絵がありますね。そのように絵をスケッチして描くことを “doodle” と言います。グーグルではDoodle 4 Googleコンテストというのを毎年開催しているようで今年は10周年に当たるらしいです。キンダー(日本でいう幼稚園年長)から高校3年生まで GOOGLE という文字を入れて何にインスパイアーされるか(What inspires me?)という題材で絵を描いて提出し、優勝した人には3万ドルの大学への奨学金、5万ドルの学校や非営利団体へのテクノロジー資金、更にグーグルの本社訪問の機会が与えられる、というコンテストです。そのホームページが冒頭のスクリーンショットになります。皆にコンテストに参加したい人はしてくださいね、という内容の授業で皆、何に影響を与えられるか考えました。
アメリカ人はインスピレーションが好きなのか “Inspirational” なことを書いた物、例えば家の飾りやマグカップなどもたくさんあります。
“Inspirational quotes” (やる気を起こさせる名言)といって検索するといっぱい出てきます。
Only I can change my life. No one can do it for me. – Carol Burnett
「自分の人生は自分でしか変えられない。誰も代わりにやってはくれない。」
本当にその通りですね。自分で切り開き、何か問題があれば自分で行動を起こさなければ何も始まらないですものね。
The best preparation for tomorrow is doing your best today. -H. Jackson Brown Jr.
「明日への最良の準備は今日ベストを尽くすこと。」
自分が起こした行動により他人が元気を出してくれたり何かやる気を起こしてくれればうれしいですね。
私も inspirational quotes をたまには見て自分を振り返り、また周りの人が前向きな気持ちになれるようにしたいと思います。
そうですねー、aspire もありますね。でもおっしゃる通り、自分がなりたいっていう願望があるんで、inspire よりもっと能動的ですね。
私は inspiration の呼吸の方で関連の expiration ともっとよく使う respiration のことを指摘されるかなって思ってましたー!
本当に日本語にしにくい言葉です。「~したいという強い気持ちを抱かせる」という回りくどい意味が根底にあるので、それを場面に応じてこなしてあげるしかないですよね。そして同じく曲者なのが aspire。どちらかというと aspire の方が日本語表現しやすくて、「熱望する」とか「志す」という表現かな。ここでこの二つの言葉が似ているようで似てなくて、というのが曲者の原因かな。Inspire は他動詞だから目的語を必要とする。「誰か」をそういう気持ちにさせる訳ですから。例文にあるように I am inspired by Mother Teresa. と受身形に書いて「マザーテレサに感動し、~したいと思った」みたいな文になる。丁度、 I am tired. と Work tires me. の関係みたいなもの。そしてそこに aspire がくると、これは自動詞だから、自分が思う、自分がすること。I aspire to play like him. 彼のように弾けるようになることを志す、とかね。inspired by と aspire to 。まだまだ奥が深いな~。