Argue, Discuss, Debate… どう違う?

argue

私は日本で英語を勉強していた時、Argue, Discuss, Debate, 辞書を引くと他にも色々書いてあるけれども「議論する」という言葉がどこにもあるし、どれを使っても同じようなことを意味する言葉なんだと理解していました。

ところが、20年ちょっと前にカリフォルニアでESL(English as a Second Languageといって英語が母国語でない人のためのクラス)のプログラムに入って英語を勉強していた時に先生がこれらの単語の意味はー?といってリストの中から意味を選ぶような練習をした時にこんな単語が出てきました。先生は至極当然のように、Argueはこれですね、とか言いながらやっていましたが、そんなもの当たり前に全部同じ「議論する」だと思っていた私は皆意味が少しずつ違うと知ってとてもびっくりした記憶があります。

  1. Argue

この言葉に合うイメージを、と思って探していたら人間が言い合いをしているようなシーンばかりで、その中に冒頭にある面白いのがあって「Argueするあらいぐま」というタイトルなんですが、人間も同じような感じですね。そうなんです。Argueというのは単に議論するのではなくて、より強い意味があって、証拠や理由を挙げて相手を説得しようとすることや、自分の意見を通そうとけんかになりそうな勢いで話すことも意味します。

オックスフォードの辞書では

  1. 通常、相手を説得する意図をもって、考え、行動、理論を支持する理由や根拠をあげること。
  2. 反対の意見を通常怒った調子で言うこと。

http://www.oxforddictionaries.com/us/definition/american_english/arguehttp://www.oxforddictionaries.com/us/definition/american_english/argue

とあります。

1番の意味が普通なんだと思いますが、概して相手を説得しようと必死になるあまり激昂してしまうことも多く2番の意味になることも多い気がします。

親が子供に対して

Don’t argue with me!

といえば、「ごちゃごちゃ言わない!」「つべこべ言わないで言うことをやりなさい!」というような雰囲気でしょうか。この場合、親はきちんとした理由がなかったり、単に説明する時間がない、気力がないなどの場合もあるので、単に「親に逆らうな」という感じになり、理論立てて説明をしようという対話を否定するものでありよくない、という意見もどこかで読みましたが、親なんですからそれくらいの権威があってもいいのではないかと私は思います。

しかし、元々は敵対的な場面でしか使わない言葉ではなく、反対意見を論理立てて説明するような時に使える言葉です。

名詞は Argument です。

Photo by flickr.com/tambako used under a Creative Commons license.

discuss

2. Discuss

中立的な「議論する」にぴったりの言葉はこちらです。

会社などビジネスの場面でよく使われる言葉でしょう。

この言葉で私が思うのは日本人の方がよく Discuss のあとに about という前置詞をつけることです。

例えば “I want to discuss about the problem we had yesterday.”(昨日の問題について話し合いたい。)

と言ってしまいます。

実際には英語ネイティブでもそう言う人もいるかもしれませんが、文法的には間違いです。Discuss という動詞は他動詞ですから前置詞ではなく目的語がなくてはならず、

Let’s discuss the problem we had yesterday. (昨日の問題について話し合いましょう。)

というように使うのが正しいのです。

名詞になって discussion になれば続く言葉は about やあとは on や of でもよく、

We had a discussion about the problem we had yesterday.

でもいいです。About か、on か、of かによって少しニュアンスも違うようですが、そこまでは分析しないことにします。

なぜ、about をつけたくなるかというとおそらく “talk about” とよく言うからでしょう。

この talk は普通によく使う言葉ですが、これも「議論する」という意味でも使える便利な言葉です。先程の例だと

Let’s talk about the problem we had yesterday.(昨日の問題について話し合いましょう。)

名詞にして

We had a nice talk with her today.(今日、彼女といい話し合いができた。)

とも言えますね。

debate3. Debate

こちらは日本でもディベートと言いますし、討論する、という意味ですね。

アメリカでは毎年11月の第一火曜日が選挙の日になります。4年に一度、大統領選挙がありますが、それ以外の年は地元の議員を選んだり年によっては連邦政府の議員を選んだりします。今年はうちの地域でもあまり何もない年で地元の市会議員の選挙とあとは住民投票がいくつかあっただけだったようです。

大統領選挙になるとこのディベート(公開討論会)が大きなイベントとなり、Presidential candidate debate と言います。共和党と民主党から選出された大統領候補が司会者のもと、色々な問題について討論をします。

私が日本で大学生だった頃、友達がこのディベートのサークルかきちんとした部だったのかわかりませんが、かなり真剣にやっていて、珍しいなーと思っていたのですが、これは勝敗もつくような競技にもなっているんですね。

このように2つに分かれて討論をするのが一般的な debate ですが、自分1人であーしようか、こうしようか、と悩む場合にも使えます。

I am debating (with myself) whether to go to the party or not.(パーティに行こうかどうか悩んでいる。)

同じような意味の言葉でも色々使い方が違うんですね。

 

You may also like...

2 Responses

  1. MA says:

    英作文の問題で、解答がdiscussとなっている所にargueと書いてしまい、違いを知りたくてこちらのページに飛んできました。オンライン辞書のweblioにも1〈…を〉論じる,論議する 《★【類語】 ⇒discuss》.とあったので同じなのでは?と思いましたが全然違うのですね。大変助かりました。ありがとうございました。

    • Kyoko says:

      MAさん、返事が遅くなりすみません!なんだかコメントを頂いても通知が来ないことがあって申し訳なかったです。辞書だけだと微妙な違いがわからないことってよくありますよね。私もよくそういうことありました。お役に立てて幸いです!