Grass-fed Milk補足ー rBST 又は rBGH

先日、牛乳のことを書いて、すっかり書くのを忘れたことがありました。

それが rBST(recombinant bovine somatotrophin)、または rBGH (recombinant bovine growth hormone)と呼ばれるもので「牛の遺伝子組み換え型成長ホルモン」です。

余談:”Bovine”は「牛の」という意味の言葉です。他にもこのようにラテン語から来た言葉が英語には多々あって、同じ動物系でいうと”canine”が「犬の」、”feline”が「猫の」などです。

牛には元来上記の言葉で recombinant (組み換え型)が抜けた「ウシ成長ホルモン」があるのですが、このホルモンの遺伝子が70年代に発見され、そこから化学薬品会社が人工的にこのホルモンを作ることに成功し、遺伝子組み換え(GMO)のところ(http://wp.me/p63kCg-3g)でも書きましたが例のモンサントという会社が最初にこのホルモンの使用に関しFDA(米国食品医薬品局)から許可を得ました。

このホルモンを注射すると牛がたくさん牛乳をつくるようになります。しかし、搾乳が間に合わず乳腺炎を起こしたり病気になることも多く、牛にとってはあまりよいことではありません。しかも、病気になると抗生物質を投与することもありますし、炎症を起こしたためにその膿や血液が牛乳に混入することもあります。

しかし、当然、牛乳は処理をした上で消費者には届くので、実際にこのホルモンを投与された牛から搾乳された牛乳とそうでない牛からのものとの違いは栄養的にもほとんどないと一般的に言われています。ということで、アメリカではこのホルモンは通常に使用されています。ところが近年、がんとの関連性を指摘するデータがあるなど本当に人間に安全なのかと疑問視する声もでてきたので、「FDAはrBGHを使用した牛と使用していない牛から搾乳された牛乳に違いは確認していない。」、「この商品はrBHGを使用せずに生産しました。」といった但し書きが乳製品にあるのを目にします。

rBGH2

という背景があるのですが、やはり牛にとっては健康上よくないという理由と人間にとっても安全かどうかということが完全に証明されていないので、現時点で日本をはじめ欧州、ニュージーランド、オーストラリア、カナダではこの人工成長ホルモンの使用は禁止されています。

私は昔、アメリカといえば世界大国だし政府の役所の言うことは正しいのだろうと思っていましたが、長くいるにつれ、アメリカの省庁や役所は民間からの影響をものすごく受けているのだということがわかってきました。

この件についてもFDAが安全だと言っているのはモンサントが行った試験によるものだと読みましたし、モンサントが遺伝子組み換えはまったく問題ないと宣伝しているのと同じでこれも安全だと色々なところで働きかけ、疑問視するような報道を抑えたりしているようです。大企業はお金があるので色々なことができるのです。

実際のところはわからないのですが、やはりあまり自然でないことはしない方がいいのでは、というのが私の気持ちなので、できれば成長ホルモンが入っている恐れのない有機のものを、というのが10数年前の状況でした。

その後、先日の投稿に書いたようなことから今は必ずしも有機でなくても信用できる農場からのものの方がいいのだろうという結論に達しています。

が、もちろんいつもいつもそんな理想的な食事はできませんから有機でない食品を当然買うこともありますし食べています。

遺伝子組み換えなどのバイオ技術などの技術の発展は素晴らしいことですし人類の役に立つことがあるとは思うのですが、やはり日々自分の体の中に入れる物としてはできれば安全なものを、特に子供達には食べさせたいと思います。

 

 

 

 

 

 

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3 Responses

  1. Kaa-chan says:

    遺伝子組み換えではなく、ラテン語と英語表現のつながりについて。
    Bovine が「牛の」という形容詞、Canine が「犬の」、Feline が「猫の」と一例が挙げてありますね。そして本文にあるように、こういう「~の」を意味する「~ine」という英単語がいっぱいあります。それらを関連付けて覚えると、自分の語彙がどんどん広がります。
    bovine は牛肉の beef とつながっているのがわかりますか?Bの音でつながり、もう一つの大事な子音の音がV/F(有声・無声の違いだけで、同じグループの音)になっていること。
    Felix the Cat というTVアニメの主人公黒猫の名は、勿論 Feline と関連してますよね。
    「馬の」意味の Equine はオリンピックなどでもやる乗馬競技の Equestrian とつながってるのがスペルで一目見てわかります。
    では豚肉のことをどうしてポーク Pork と呼ぶか。それは「豚の」の意味の言葉が Porcine だからです。Cの文字は Porcine の発音ポーシンのようにSの音をもっていますが、FantasticのCのようにKの音も持っているので、これもすぐにつながりがわかります。
    ラテン語を語源とする英単語、どんどん関連させて言葉の世界が広がるので楽しいですよ! 英語学習に是非役立てていただきたいですよね。

    • Kyoko says:

      その通りです!英語はラテン系とゲルマン語系とか色々混じってて発音も色々だし、他の言語に比べると難しいですよね。

      私は大学の時にラテン語を1年だけ勉強しましたが、ラテン語を知ってると随分語彙も増えますよね。

      Kaa-chanさんに別コラムを設定して英語について書いてもらおうかしら!?

      • Kaa-chan says:

        いやいや、私は「おまけ」の係りに徹します。はい。 (^_^)