Montessori モンテッソーリ

新年あけましておめでとうございます。

といっても既に1月も半ばですね。皆様におかれましては新年の良いスタートが切れましたでしょうか。2017年が皆様にとって素晴らしい一年になりますように。

新年とは何も関係ないのですが、昨日、ネット販売のアマゾンが今後1年半の間に10万人以上の雇用拡張をするというニュースを読んで、アマゾン創始者、ジェフ・ベゾスのことが書いてあったので長い間紹介したかった主に幼児を対象としたモンテッソーリ教育について書いてみることにしました。

モンテッソーリ教育の基本とは:

「子どもは、自らを成長・発達させる力をもって生まれてくる。 大人(親や教師)は、その要求を汲み取り、自由を保障し、子どもたちの自発的な活動を援助する存在に徹しなければならない」(http://sainou.or.jp/montessori/about-montessori/about.php

というものです。

モンテッソーリ教育については日本ではどれほど知られているのか私はわからないのですが、モンテッソーリの学校で知り合いになった友人が日本へ帰った時に近くにあるやはりモンテッソーリの幼稚園に子供を入れると言っていたので、日本でも最近は増えているのかもしれません。ご存知ですか。

モンテッソーリ教育は、イタリア初の女性医師であったマリア・モンテッソーリ(Maria Montessori)という人が始めた教育法です。

マリア・モンテッソーリは最初精神病院で働いていたのですが、知的障害のある人の世話をするうち、知的障害があっても感覚的な方法を使って教えれば学習をし、知的能力が向上することを発見し、後にローマの貧しい子供達を集めて、「子供の家」(”La casa dei bambini”-イタリア語、”Children’s house”- 英語)を開きました。ここでもマリア・モンテッソーリの感覚的な教授法が成功を収め、子供達は整えられた環境を与えると自分からどんどんと学んでいくことがわかりました。

その成功を元に、モンテッソーリ教育法は世界各地へ広まりました。

アメリカではモンテッソーリ教育を行っている機関が4500箇所ほどあると書いてありますが、(http://www.montessori-namta.org/FAQ/Montessori-Education/How-many-Montessori-schools-are-there)実際には認定は受けていなくてもモンテッソーリ法を取り入れています、というところはもっとたくさんあるかもしれません。

ですから、アメリカへ来てプリスクールを探しているとモンテッソーリというのはよく見ることがあるのではないのでしょうか。

私がモンテッソーリの学校に出会ったのは長女が2歳の時のことでした。週に数日でもどこか行けないかと考え、いろいろなプリスクールを訪ねていた時に、知り合いからも教えてもらったのですが、このモンテッソーリの学校へ行ってみました。当時は2歳前後から上は高校生まで学生がいる大きな学校でしたが、広い敷地でのびのびと遊ぶ子供達、おおらかな先生など、気に入り、すぐに行かせました。

その後、引越しがあり、近くのモンテッソーリの保育園・幼稚園が少し離れていたので、2年ほどは普通のデイケアに行かせたのですが、やはりモンテッソーリ教育の魅力が忘れられず日本でいう年長、アメリカではキンダーガーテンの年から長女はまたモンテッソーリの学校へ入れ、結局小学2年生まで行きました。

学校を見に行ってすぐに気に入ったのは子供達がいきいきしている、非常に礼儀正しい、そして親切でただ訪問中のうちの子供達をすぐ仲間に入れてくれたこと、年上の子たちが自信に満ち溢れ、小さい子たちの世話をしている、また先生も本当に優しいのですが、決して声を荒げることはなく、その上、しっかりと子供達を統括していたことでした。

モンテッソーリの特徴の一つは年齢の違う子供達が一緒に学ぶことにあります。3歳から5〜6歳までの子が一緒に学ぶなんてどうやって?と思うかもしれないのですが、これが不思議とうまくいくんですね。

子供達は自由に好きなことをするのですが、ちっとも騒がしくなることもなく、一人一人が自分の好みでそれぞれの作業をしている光景は驚くものがあります。大きな子供達が小さい子供達の面倒を見る、というのも特徴です。

小学生になっても同じような感じで好きなことをするのですが、一週間でやらなければならないことは一応決まっているので、それに合わせて自分で考えて勉強をしていき、質問があれば先生がいる、という感じでした。

私もこんな環境で学べればもっと何か別の才能が見出されたかも!?と思ってしまいました。

私が日本で受けた教育には心から感謝していて、今でも平均的に学力の高い人を生み出す日本の教育は素晴らしいと思うのですが、何でも全員一緒でなければいけない、試験ばかりで偏差値で決められてしまう一律的な教育は社会人になった時にどうなんだろうか、と疑問に思うこともありますね。いい大学に入ることが人生の目的ではないのですから、「学問」だけにとらわれている教育では偏った人間ができてしまうのではないかと心配になります。

モンテッソーリ教育は、幼児期が人間として大切である、ということや、この方法の恩恵を受けるのは幼児期が一番強い、ということからプリスクールが一番多いのですが、まれに小中高と上の学年までやっているところもあります。

できれば私も子供達はこのように自由に好きなように興味のあるところをどんどん伸ばしていけるような教育を受けさせたいところですが、せっかく税金も払っているし(?)公立の学校へ行かせていますが、子供達は今でもモンテッソーリの学校が楽しかったと言います。

なぜ、冒頭のジェフ・ベゾスからモンテッソーリ教育かというと、ジェフ・ベゾスは”Montessori child”(モンテッソーリ教育を受けた人)なんです。

他にもこんな有名人がモンテッソーリ教育を受けています。

  • グーグルの創始者、セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジ
  • 俳優のジョージ・クルーニー
  • 経営学者のピーター・ドラッカー
  • 「アンネの日記」のアン・フランク
  • ヘレン・ケラー
  • 歌手のビヨンセ
  • チェリストのヨーヨー・マ
  • ジョン・F・ケネディ夫人のジャクリーン・ケネディ・オナシス
  • 歌手のテイラー・スイフト、等

http://www.mslf.org/famous-montessori-students/参考)

もし、アメリカに来られ、子供さんが小さいのでモンテッソーリのプリスクールを考えている人がいたら、モンテッソーリの学校です、と言って協会から認定されていてもいなくても大きな役割を担うのは先生ですから、一度訪ねてみて雰囲気を観察してみることをお勧めします。私の経験ではやはりある程度経験のある先生でないとこの方法はうまくいかない、ということです。

モンテッソーリの教育法は一生学んでいくことに対する愛情を育てるものであると言われますが、学ぶことが楽しい、と思えるということは非常に大事なことだと思います。(特に算数の教具は目で見てコンセプトが理解できるので、モンテッソーリに関わらず誰でも役に立つと思います。算数が苦手、という子供にはいい教具だと思います。)

学校へ行く年齢を過ぎても学びをやめず、型にはまらない自由な考え方ができる人がいたからこそ、アマゾンもグーグルも誕生したはずです。

見ていても楽しくなるようなモンテッソーリの教具の写真(1年半前に末っ子の息子が出た幼稚園より)を添えて終わりにします。

人生、学びに終わりはないので2017年も何事にも興味を持って取り組んでいきたいと思います。

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形の勉強              アルファベット

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算数

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日常生活に関する作業の練習

 

 

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1 Response

  1. かぁちゃん says:

    モンテッソーリってそういうところだったのね。私の娘が幼稚園に・・・という頃、私も学校を探したのだけど、近所にある幼~高3一貫の女子校に決めました。年少なので2年キンダーガーテンをするかもしれませんという注意付きで面接を受けたら合格。そして普通に翌年は1年生に昇級できたけど、この記事を読んでいて、いかに雰囲気が似ているか驚きました。モンテッソーリの学校ではないけど、学校全体が小さなコミュニティーで校内でリトルシスター・ビッグシスターの関係があって、学校全体で年上の子が年下の子の面倒をみる風潮がしっかりあった。
    モンテッソーリの「学ぶことは楽しい」ってとても大切だよね。一生が学びの場、というのはとても頷けるし、自分の人生もそういうものでありたい、と願う新年であります。